白亜紀前期の動植物がオパールへと置換、Opalised Fossil

 「シェルオパール(Opalised shell)、動植物がオパールに置換する事 (Opalised fossil)」 英語には左記のようにオパーライズドと言う言葉が存在してます。日本語に訳すとオパール化が適当なのだと考えております。

シェルオパールは、ジュラ紀から白亜紀(約2億年~6500万年前)の動物や植物の遺骸が地層に堆積し、二酸化珪素へと置換することから造られます *肉などの軟質部は化学変化により既に失われていますので、植物系でオパールに置換されたのはとても希少性が高いと考えられます。 


時間を掛け粘土質の層がその上に堆積していくことで、重さ(圧力)により化石となった貝殻部分の炭酸カルシウムがカルシウムとして存在できない環境になるため成分が逃げ出すことで、貝の化石が全て無くなり貝の形をした空間ができ、その空間に二酸化ケイ素を含んだ地下水が浸透し、水分が蒸発し、二酸化ケイ素(Silica, シリカ)が貝殻の形をしたオパールが形成されて行きます。これらを置換(Replacement)と呼びます。

恐竜が闊歩していた時代なので、恐竜の骨がオパール化したのもありますが、それはまさしくオーストラリアの宝と言えるでしょう。

他には、海竜(プレシオサウルス、キメラ)の骨や海洋爬虫類、古代の烏賊の軟骨部分(Belemnites)がオパールに置換されたものもあります。
化石がオパール化する現象はオーストラリア大陸独特のようで、それも限られた地域の特定の条件によって生み出されたものと言えるでしょう。 

 

採掘方法はオープンカット方式で、まずショベルカーなどで土砂を採掘し、そのオパールを含んだ土砂を集積し、ベルトコンベアーに乗せブラックライトを当てその存在を確認します。


上はシェルオパールの土を取り除いた状態、良質なシェルオパールは、水にぬらすだけでも綺麗

こちらは土が付いた状態のクラスター、現地では、Sandblastingを使い、シェルオパールを取り出します。

 同じ採掘場所でもポッチ(Potch)とカラー(Colour)が採れるので、ある程度土砂を取り除かないと商品査定はできません。 ブラックライトを使うところが、ブラックオパールの採れるライトニングリッジと違った採掘方法です。リッジではオパールを含む土砂を洗浄して、余分な部分を取り除きます。 濡れている内に、色が出ているノビー(Nobby)を探します。

 洗浄するための水が必要不可欠で長く降水がないとマイナーは死活問題となります。現在では、その対策としてみんなで資金を出し合い、洗い場にため池を作っております。

 輝くオパールが造られる条件としては、非常に長い時間をかけてゆっくりと固化することを必要とします。それにより、シリカ球(二酸化ケイ素)が整然と並ぶ宝石質のオパールが出来る環境になります。 
オパールは非結晶の宝石なので、シリカ球が整然と並ばないとプレシャス(Precious, 輝く、希少性)オパールになりません。 
整然と並ばない場合はコモンオパール(Common opal )やポッチ(Potch)と呼ばれ、希少性は断然と下がります。


   

「オーストラリア大陸の特性」
1.ゴンドワナ大陸(Gondwana land)からの分離後に平穏な大陸でした。

2.エロマンガ海(Eromanga)と言う内海が存在しました。   
白亜紀には、現在のオーストラリアの約三分の一が浅海の内海(エロマンガ海)が覆っていました。   
実は、この頃に、カモノハシの近縁などを含む最初の哺乳類がオーストラリアに出現。   
カモノハシと同じように卵を産む哺乳類のエキドナ(ハリモグラ)が同じくオーストアリアに生息。   
現在、卵を産む哺乳類は、この2種類のみです。


エロマンガ海(Eromanga inland sea)

シェルオパールが採掘される場所は、ホワイトオパール(White opal)の産地である南オーストラリア州のクーバーペディ(Coober Pedy)が大半を占めますが、 一部ブラックオパールの産地であるライトニングリッジからも採掘されます。
やはり、ライトニングリッジ産のシェルオパールは、一部が黒っぽかったり、透明感ある青紫っぽいのも見受けられ、違いを感じることが出来ます。 貝の種類は、二枚貝(Bivalve)は、現在のアサリ貝系(Clam)、ムール貝系(Mussel)、ホタテ貝系(Scallop)など。
一枚貝(Snail)は、巻き貝などが採掘されています。

  
ブラックオパールが採れるライトニングリッジ産の珪化木がオパール化したもの超希少、これもブラックオパールと鑑別されるでしょう。

また、ホワイトクリフ地域では通称パイナップル(Pinapple)と呼ばれるグローバライト(Glauberite)<<<,カルサイト(Calcite)<<<イカイト(Ikait)なども有名です。オパールになるまでに2度置換している希少石です。

2014年4月にここのマイナーとお目にかかりました。 その際にポッチ(遊色、輝きの無い)のパイナップルが8000ドルと言われビックリしました。 一番高いのはQuarter Million Dollars(クォータミリオン=約2500万円)と言われ、彼のビジネスは主にツーソンショーで売却しているそうです。
現在その価格であればお金持ちのアメリカ人しか価値を見出せないのではないでしょうか。


通称パイナップル グローバライト(Glauberite)

彼の商品は高すぎたので、知り合いのMinerのところに戻り、丸ごと1個のパイナップルが壊れたのが有ったので購入してきました。 

参考迄:珪化木は樹木の細胞に珪酸が染み込み化石として残るようです。 この内部の細胞からシリカ球が規則正しく並ぶことによってオパール化した珪化木が造られます。仮像と呼ばれる現象です。

 

Geological site of NSW = http://www.geomaps.com.au/scripts/whitecliffsopal.php