<<オパールの硬度とお手入れ方法>>

オパールのモース硬度、英語ではMohs' scale of hardnessは5.5から6.5となっておりまして、どの程度かというと事実オパールでガラスの上をなぞると綺麗な線がガラスに付きます 鉱物としては、独特でH2Oが結晶としてケイ酸と結びついて結晶の中に存在します

モース硬度の硬さの基準は「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「たたいて壊れるかどうか」の堅牢さではない(そちらは靭性と呼びます

「靭性」(じんせい、英語でtoughness)とは、構造物や素材または部材の強度、ねばり強さのこと外部からの圧力に対して耐えられる抵抗の程度を表すことで、こちらの方がペンダントやリングなどの装飾品としては大事な要因だと思いますので参考にしてください


また、「オパールは乾燥すると亀裂が入るので、熱とか強い光からは守られるべきです」と言われておりますが、過去に2度ほど電子レンジに入れて“チン”をした実験を行いましたが結果は何の変化も見られませんでした

そもそもそこまで神経質なものは宝石になれませんし、有名百貨店でオパールの指輪が数千万円の値段で取引される訳が有りません!
弊社で扱うルース(裸石)に関して、万が一ひび割れなどが生じた場合は、速やかにご連絡ください、早急に同等以上のルースと交換いたします
但し、ルースをリングやペンダントに加工した際に石を台に留める際、台の詰めの部分に力を加えすぎて、ひび割れが生じた場合などの人為的な加工に該当する場合にはこの補償は該当しません

 

ルースのお手入れ方法:
とても簡単でセーム皮やめがね拭きで十分なのでこれらで磨いてください、中性洗剤を使っても構いません 

保管方法:
巾着袋などでも構いせんが、できればルースケースに入れなるべく見える場所に保管して置いてください、そうすると眺める機会が増えます
せっかく綺麗な宝石なのにタンス奥深くにしまって置くのはもったいないです、オパールの色や遊色を楽しむには、角度だけではなく、様々な光によって輝きや色が変わってきますので、一度お手元の石を晴天の屋外、曇りや日陰、電球、白色蛍光灯、昼光色蛍光灯などに当ててみてください、 面白いくらいにその光によっても色は変わってきます、 実は、東京とシドニーとライトニングリッヂの太陽光でも違ってきます、 ちなみにプロの買い付けする方々は、太陽光(自然光)の下で検品チェックします

乾燥地帯:ブラックオパールの故郷であるライトニングリッヂは、夏場には最高気温50度を超えるときもあります、 そしてオーストラリアの赤茶けたとても乾燥した大地から採取され、日本は湿気の多いところなので余程のことが無い限りは、ひび割れなどは起こりませんので、余計なご心配は不必要だと思います

いづれにしても高価な宝物なので大切に扱ってください 掃除、洗濯、洗物の際には、外してください
 

 

<<オパールと遊色の起源>>

オーストラリア産のソリッドオパールは、非結晶体で、約5から9%の水分を含む硬性ゲル状の非結晶シリカ(二酸化ケイ素。水晶や砂に似た物質)です
屈折率は約1.46、比重が2.10から2.13、そしてムートンストーンと水晶の間の約6度の硬度を持ちます
オパールのほとんどは、約6千万年前、オーストラリア内陸部で、粘土の親基質の中の空洞に地下水により堆積した二次鉱物として生まれましたオパールが形成された粘土は、通常、百亜紀いわゆる恐竜時代のもので、そのためオパール化した先史時代の骨や樹木、貝などが見られることもあります
オパール独自の特徴である遊色は、ルビーやエメラルド、サファイヤのように微量元素によるものではなく、形成の途中に無数の微小な二酸化ケイ素の丸い粒子がシリカゲルで接合するという、超顕微鏡的規模で発展した非常に珍しい構造によるものです。
粒子の直径の差が10%より小さい場合、それらの粒子は規則的な配列に固まることが可能で、粒子とその間の空洞が立体的に配置されます。 

その空洞を二酸化ケイ素によりやや屈折性の低いシリカゲルが埋め、構造が規則的であるため空洞と空洞の間隔が可視光線の波長とほぼ同じになり、立体の「回折格子」ような働きをします。
それとまったく同じ現象が、適当な間隔で線が集まっているコンパクトディスクでも見られますが、この場合は平面に起こります。
ディスクでは、「回折」又は光の干渉効果により、白色光の下で虹色のスペクトルを全部見ることができます。
このように二酸化ケイ素の粒子の直径が、発生する最大波長つまり色を決定します。
最も大きな粒子から、赤が発生し、粒子の大きさはオレンジ色から緑、そして青を発する最も小さなものまで、徐々に小さくなっています。赤を発し、つまり「回折」する石は、それよりも短い可視波長を見せることが可能ですが、これはその石がオレンジ色や黄、緑、青などを発する可能性を意味します。
同様に、緑に等しい最大波長を見せる石では、特に斜めから見た場合、青や紫を発することがあります。 

石の白みがかったあるいは曇った部分は、色を回折するオパールに混入したポッチ成分によるものです。                                                       
ポッチは、オパールと同じ粒子が集まってできたものですが、粒子の直径が大きく異なったり奇形であったりしたため、回折色を見せる規則的な配列で固まることができなかったために生まれました。
その結果、すべての可視波長が不規則に拡散し、あらゆる色(波長)が混ざり合い発光を発します。
色が残っている場合もポッチから散乱する発光によって、色が弱められるとともに拡散します。ライトニングリッジから産出されるポッチの多くは色の濃い灰色や黒のもので、これらが最高級ブラックオパールの基底となっています。
オパールは多孔性と一般に言われ、参考文献にもそのような記述がありますが、オーストラリアのソリッドオパールは多孔性ではなく、汗や水分などを吸収することはありません。
多孔性で、宝石としては不適当な透たんハイドロフェーンと呼ばれるオパールの一種がありますが、この種のものはオーストラリアでは産出されません。

ブラックオパールの中には、際立った特徴を持っているものがあります。 
これは、その石が持つ魅力が、同水準の他の石よりもはるかに大きいことを意味します。
人はそれぞれ、オパールを独自の見方で見ていますので、安価のオパールに大きな魅力を感じることも良くあります。
ブラックオパールの一つ一つが、どれも異なった特徴を表しているという事実は非常に大切なことです。
サファイヤやルビー、エメラルドなどの宝石とは異なり、どのブラックオパールもそれぞれ独特の色彩の組み合わせを見せます。 
同じような二つの石を見ることは稀ですし、全く同じ石が二つ見られることはありません。
色彩の組み合わせが美しく魅力があるほど、その価格も高くなります。 
ブラックオパールの多くは、あたかも巨匠の手で描かれたかのようです。

<<ブラックオパール>>
通常、ブラックオパールとは、不透明な濃灰色から黒色を主色とし、それを地色として、
様々な色彩が素晴らしい輝きを見せる単一(ソリッド)の天然石を言います。
淡色のオパールでは散乱し、色彩のきらめきを拡散して弱めてしまう白色光を、
暗色の地色が吸収するため、ブラックオパールでは視覚的効果と七彩色の輝きが更に引き立ちます。
最も高価なブラックオパールでも、最上層の色に、その下の色彩のない暗色の地色がちらついて見えること珍しくありません。
ブラックオパールは様々な場所で発見されていますが、宝石品位のものが商業規模で採鉱されている所は、
有名なニューサウスウェルズ州北部のライトニングリッジ産地だけです。

<<ボルダーオパール>>
堆積鉄鉱石の漂石(ボルダー)に細かい筋となって現れることから、この名が付けられました。
すばらしく美しい、奇麗な半透明の色彩を放つものが時々見られます。 
色層は、密度の高い茶色の鉄鉱石の基底に自然に固着しており、そこから切り離すことはできません。 
ボルダーオパールはオーストラリアのクイーンズランド州で採掘され。
ここ以外では見られません。通常、ボルダーオパールの品質がブラックオパールと同程度の場合、価格はより安価となります。

<<南オーストラリア州のオパール>>
南オーストラリア州の三大オパール産地であるクーパーペディとミンタビーとアンダームーカでは、ライトオパールの大部分を長年に渡り産出しています。 
ソシテミンタビーに於いては少量のブラックオパールも産出しています。
ライトオパールはブラックオパールに較べ希少価値は少ないですが良質の物は高値で取引されております。

参考文献:Bureau of Mineral Resources (now Geoscience Australia)